クレジットカード現金化被害の現状と注意喚起の発端
経済産業省や警視庁、消費者庁などそれぞれの機関から注意喚起が出ております。
一度くらいはご覧頂いたことがありますでしょうか。
相談・被害件数が増加傾向にあり、その対策として注意喚起の記載と共にそれぞれの機関から
「クレジット協会」「クレジットカード協会」へ、具体的対策を盛り込んだ要望書が送られることになります。
その要望書の内容が
- この問題に対する分かりやすい注意喚起文の掲載
現行のホームページで「クレジットカード現金化」についての消費者に向けの注意喚起を掲載しているところがあるが、文面からは取引自体の危険性などが伝わりにくい。
利用規約違反でナゼ禁止されているかなどを含めて再度掲載を改善して欲しい。
- 会員カード規約の記載の徹底
クレジット業界では行為自体が利用規約違反及び禁止をしているが各カード会社規約への記載内容は曖昧で表記の仕方も様々であり、記載の義務も無いという事もあり、消費者にはとても分かりづらい内容だったり、会員カード規約にも全く記載が無いカード会社もある。
その「禁止である」という旨の明記、表記方法や記載有無を業界で徹底すること。
- 加盟店管理
カード会社が現金化業者との加盟店契約の締結をしないように務める事、情報や相談が寄せられたときは関係する加盟店を調査し違法業者の排除に努めること、会員・加盟店の管理徹底すること。
という内容になっております。
実際はこの掲載以降改善されているのかというと不明ではあるが対策が講じられたことは間違いなさそうである。
では実施の被害状況と傾向は?
国民生活センターに寄せられた相談件数になりますが2005年から2009年の5年間で約751件。
2010年は前年度から2倍以上の件数となって以降はピークに年々減少傾向にあるようです。
【2010年以降の推移】
男性 | 女性 |
---|---|
57% | 43% |
20代 | 30代 | 40代 |
---|---|---|
20.7% | 26.0% | 25.6% |
南関東 | 九州北部 | 北海道・東北 | 近畿 |
---|---|---|---|
27.6% | 12.9% | 10.4% | 12.1% |
給与生活者 | 無職 | 家事従事者 | 自営・自由業 |
---|---|---|---|
52.7% | 20.3% | 12.0% | 8.7% |
実際のトラブル事例は色々な関係各所のHPで掲載れている通りだろうとは思いますが、根本には2つあります。
- まずは業者がメリットのみでリスクや問題点等の一切の説明を怠っていること。
- また、消費者側がリスクを知らずに(危険予知をせず)利用してしまう事によって返済できない状況になってします。
この返済できない状況での相談件数の増加であると考えられます。
また、不正利用であることを知りながら利用してしまうと消費者側も詐欺罪(刑法第246条)等に抵触する可能性もあるということである。
国としての対策は講じていくのか
現金化業者を金融庁が貸金業とみなして登録の有無を取り締まっていくという事が一部報道であった事についての事実確認として金融庁の回答は次のようになっております。
ご指摘のような決定を経済産業省との間に決定した事実はございません。
法の適用はあくまで個別の判断によらざるを得ず、現金化については取引類型や関係者の関与、認識の形態が様々である等から、賃金業を含め一般論としての法律上の成否を現時点で一概に申し上げることはできないと考えております。ただし、いずれにいたしましても金融庁といたしましては利用者保護という観点から重大な関心を持っていくという事だけは(貸金業法の)所管の大臣として申し上げておきたいと思っております。
ギフトカードなどのいわゆる金券の払い戻しに関する相談も増加傾向にあり、金融庁所管の資金決済法の存在自体が一般消費者に伝わっていない状況と最短60日と言われる払い戻し期限に問題があるのではないか声もある中での対策や方針いついての金融庁の回答になります。
いわゆる金券については、資金決済に関する法律において、各発行業者が金券の利用を終了した場合に金券の保有者へ額面で払い戻しを行うことが義務付けられております。
また払い戻しを行うときは、当該払い戻しをするという等の事項について、日刊新聞紙による公告または営業所等への掲載を実施しなければならないという義務もあります。
当庁といたしましては、各発行業者が金券の保有者から相談等に丁寧に対応し、保有者の間に混乱が生ずることのないように、定められた手続きに従ってこうした公告等が適切に行われるよう監督するとともに、払戻期日のさらなる周知に努めてまいりたいと思っております。
いずれにいたしましても、当庁といたしましては、各発行業者が金券の保有者からの相談に丁重に対応し、保有者の間で混乱が生ずることがないように定められた手続きに則ってこうした公告等が適切に行われるよう監督するとともに、払い戻しについてはさらなる周知に努めてまいりたいと、今のところはそう思っております。
と長文にて同じようなことを繰り返して説明しているようにも感じ取れますが、要するに「監督する立場で見守って、出来る事はやるけど完全に取り締まってはいませんよ」ということですね。
クレジットカード現金化の広告自体が違法ではないのか?
そもそも悪徳業者による過大広告や「クレジットカードで即日換金」などの広告自体が違法なのではないだろうか?
事業者の中には、もちろん金融業ではないので賃金業または質屋などの買取店で必要な古物商などの営業許可すら取得していないことが殆どです。
またクレジット会社との加盟店契約を結んでないような業者も散見されます。
そういった紛らわしい業者に対しては都道府県の公安委員会から訂正や削除を求められる程度で広告自体を取り締まるということにはなっていないようです。
あくまでもクレジットカードの利用規約違反や貸付によるヤミ金対策法などでの取締りでしか現状ではないようですが、今後は対策を取る方向に動いてはいるようです。
そもそもクレジット協会とクレジットカード協会って
一般社団法人 日本クレジット協会とはクレジット業界の独自会員による業界団体であり、業界の規制・秩序の遵守及び制定や会員の研修や消費者へのクレーム対策を行う団体です。
ホームページには目的が明記されております。
JCCA 日本クレジットカード協会は1984年に銀行系のクレジット会社によって設立された団体でクレジット事業の発展、消費者生活の向上に対する貢献と題されており、具体的な目的も明記されております。
詳しくは各HPにて御確認いただくようお願い致します。