キャンセルはできるの?できないの?
消費生活センターには、クレジットカード現金化についてしばしば相談が寄せられます。
その中でも特に多い相談が「キャンセルできない」というものです。
クレジットカード現金化を行うと本当にキャンセルできないのでしょうか?
結論から言うと、現金化業者によってキャンセルできる場合とできない場合があります。
業者の店舗に赴いて直接取引する場合、還元率などに不満があればその場で取引を中断することができますが、インターネット上の取引ですと、実際に振り込まれてから還元率の違いに気付くなどして、キャンセルを申し込むことがあります。
しかし、インターネット取引では業者がキャンセルに応じる義務はなく、キャンセルできるかどうかは業者の方針によって決まります。
優良業者であればキャンセルに応じてくれることもありますが、悪徳業者ですとほぼ100%キャンセルできません。
それどころか、インターネット取引であることを逆手にとり、消費者に嘘の還元率を教えて堂々と詐欺を行う業者もいます。
もちろん、消費生活センターへの相談が増えるとこのような悪徳業者は営業できなくなりますが、一部例外を除いて法的に罰を受けるわけではないため、あまりダメージを受けません。
グループ会社を使ったり名前の違う会社を作ったりして営業を続けることが多く、消費者としては悪徳業者を利用しないよう注意するしかありません。
インターネット取引ですと、実際の店舗を持たない会社が多く、判断材料に困ることもありますが、ホームページをよく観察すると、会社の住所が途中で終わっていたり電話番号が書かれていなかったりと、不審な点もあります。
そのような業者は絶対に利用しないことが大切ですし、ホームページに問題がなくても、ホームページの宣伝・広告については基本的に信用せず、問い合わせにより内容を確認することが大切です。
その際、換金率や手数料、振り込みにかかる時間だけでなく、キャンセルの可否についても確認しましょう。
キャンセル可能な場合は、キャンセル料がかかるかどうかもチェックしましょう。
業者に落ち度がない場合、銀行口座に入金するための決済手数料だけ取られるかもしれません。
ちなみに、問い合わせだけでは契約したことにならないので、キャンセル料は発生しません。
悪徳業者の場合、話を聞いただけでも「キャンセル料がかかる」と脅して電話を切らせてくれないことがありますが、当然問題ありませんので電話を切ってOKです。
業者へのクレームは意味がない?
クレジットカード現金化を巡るトラブルの一つに、成約通り入金されなかった、というものがあります。
クレジットカードを決済する前に言われた金額と、実際に振り込まれた金額が異なれば、当然業者に問い合わせて確認すると思います。
あるいは、消費生活センターなどに相談するかもしれません。
しかし、決済前に言われた金額と決済後に入金された金額が異なるということは、一般の現金化業者であれば基本的にあり得ません。
というのも、成約内容と異なる取引をするということは詐欺に当たるからです。
クレジットカード現金化はもともと法的にグレーゾーンであり、消費者との間にトラブルを抱えることは告発されるリスクを増やします。
確かに、ホームページに書かれている現金化率が、決済手数料などを差し引く前の現金化率であるということはよくあります。
しかし、その場合も決済手数料が別途かかることを説明されたり、すべての手数料を差し引いた金額を提示されたりと、必ず確認作業が行われます。
ホームページに書かれている還元率が、実際の換金率と差があるということは、あまり良い業者ではありませんが、消費者の同意の元に取引すればクレームに発展する理由もありません。
では、成約通り入金されないというトラブルは一体何なのでしょうか?
これは、現金化詐欺を行う業者を利用したために生じたトラブルです。
前述した通り、成約内容と異なる金額を入金するということ、あるいは入金しないということは、列記とした詐欺行為であり、詐欺罪として告発できます。
もちろん、違法業者の方もそのことは分かっているので、消費者からクレームが入っても真面目に対応しようとせず、そのうち連絡が取れなくなってしまいます。
クレジットカード現金化はインターネット通販を利用することが多いですが、このような悪徳業者はインターネットを隠れ蓑にしており、自分の正体が分からないよう嘘の情報で身を固めています。
業者の本拠地に乗り込もうとしても、正確な所在地が分からないので身動きが取れず、クレームも意味をなさず、泣き寝入りというパターンが多いです。
クレジットカード会社に相談すれば、悪徳業者との契約を取り消してもらえる可能性がありますが、クレジットカードの規約違反を犯したため、クレジットカードの利用停止や退会処分というペナルティを科せられる可能性もあります。
詐欺に遭ったうえ、クレジットカード会社からペナルティを受けるというのは非常に悲しいですよね。
そうならないためにも、業者選びは慎重に行う必要があります。