取締りの状況を確認してみよう
いくつかの項目に分割しながら詳しく説明して参ります。
現金化の取り締まりとは
利用者は増えていますが、年々その取り締まりが強化されていることも事実です。
どのような取り締まりが行われているのでしょうか。
2011年2月、国はクレジットカードの現金化についての意見書を出しています。
この意見書では、現在の法律の中で適切に業者の取り締まりを行っていくが、カード現金化などの取り引きを規制するための法を早いうちに整備することを検討していくべきだと述べています。
ここ数年の取り締まり状況について具体的に見ていきましょう。
警察でも取り締まりを強化
警察庁でも2011年に、クレジットカードによる商品の売買を装って現金を融資するヤミ金融への対策を強化することを発表しています。
具体的な対策としては、日本クレジット協会などに対して、広告を掲載するインターネットのサイト管理者に削除要請するように求めました。
その後、2011年8月には、クレジットカード現金化を行う業者が全国で初めて摘発されています。
業者は出資法違反の疑いで逮捕され、有罪となりました。
全国初となったこの摘発以降も現金化業者は複数逮捕されており、警察でも取り締まりを強化していることがうかがえます。
取り締まりはクレジットカード業界でも
取引に関する規則の制定や、法令遵守の体制の整備などに関わる業務を行う日本クレジット協会でも、近年はクレジットカード現金化に対する取り締まりを強化しています。
カード会社の規約に反している可能性が高いものですからカード会社によっては、「現金化は契約違反行為」とはっきり明示しています。
クレジットカードを利用する際は、契約に関する規約を守ることは基本です。
そのため、カード会社に現金化を知られた場合は、利用停止または強制解約といった厳しい措置がとられてしまいます。
やはり現金化は違法?
このようにクレジットカード現金化に対する取り締まりは年々強化されています。
国や警察、関連業界など、あらゆる機関や企業で対策がとられています。
やはり現金化は違法なのでしょうか。
現在の法律のもとでは、限りなく黒に近いグレーゾーンにある、というのが多くの見識です。
違法とは言い切れずグレーであるからこそ、悪質な業者の取り締まりを厳しくしていくことが被害を広げないための対策となっているのです。
現金化を利用する際は、そのあたりのリスクも含めて検討するようにしましょう。
法律に抵触してないのに、どうして違法になるのか?
日本国の法律に「クレジットカード現金化」を規制するものはありません。
では法律に抵触していないのでは?
と思う事もありますが、何故「違法行為」とみなされてしまうのか詳しく見ていきましょう。
クレジットカード現金化は違法なの?
違法かどうかの議論はよくされるところです。
現状としては、「黒に近いグレーゾーンにある」というのが一番適した表現かもしれません。
違法かどうかの判断のためには、過去の判例が参考になります。
2011年に業者が摘発され、有罪となった判例を例に挙げて見ていきましょう。
2011年の判例によると
2011年11月、クレジットカード現金化業者に初めて有罪の判決が言い渡されました。
この業者は、顧客にカードで商品を購入させ、代金の一部をキャッシュバックする方法で現金化を行っていましたが、「違法な貸し付け」を行ったとして出資法違反などの罪に問われていました。
地裁立川支部の裁判官は悪質な犯行であるとし、この業者に対して懲役3年(執行猶予5年)の判決を下しています。
カード現金化が違法であると判断されたのは、この裁判が最初の判例となっています。
この業者のどこが違法なの?
この業者は、クレジットカードの現金化を申し込んだ客に対して自社の商品をカードで購入させ、その代金の一部をキャッシュバックとして客に返金する方法をとっていました。
その際、カードの決済代行会社からの立替え払いとの差額を、業者が利息として得ていたことが違法だとされています。
また、この業者は貸金業の許可を得ずに営業していました。
許可なく金融業を行っていたことも大きな摘発理由となっています。
さらに、出資法の上限金利をオーバーする貸し付けを行っていたところも問題視されています。
判例からわかること
この判例で明らかになったのは、
- 「商品を売ることが目的ではなく、お金を貸すことが目的である」
- 「貸し付けが目的なので金融業である」
と判断されるという部分です。
さらに業者が受け取る利益が大きかったため、出資法にも抵触すると判断されたのです。
この業者は摘発されましたが、クレジットカード現金化の業者がいなくなったわけではありません。
なぜなら、すべての業者が違法だと判断されたわけではないからです。
明らかに黒に近いグレーゾーンにある業者もいるでしょうし、法的には何も問題のない業者もいるでしょう。
今後、クレジットカード現金化を検討しようと思っている人は、それぞれの業者の安全性についてもチェックしてみましょう。
また、クレジットカードの契約は自分とカード会社の間の契約となります。
規約に触れることのないよう、利用の仕方には責任をもちましょう。